2014年3月25日火曜日

就労支援センター登録

就労が決まった生徒がいたので、居住区にある就労支援センターの登録に同行しました。

基本卒後、3年間はアフターケアといって、就労が定着するよう、また離職した場合のフォローを学校がします。

3年過ぎると、学校の進路担当も異動等でいなくなる場合もあるので、この就労支援センターがフォローしていくことになります。

区によってフォローの仕方等も多少違いがあります。

あんまり詳しくは書けませんが、自分が進路担当になって初めてだったので、いろいろ勉強になりました。

都内では各区市町村にこれだけあります。


2014年3月23日日曜日

障害基礎年金



国の制度で障害基礎年金(20歳から支給可能)というものがありますが、これは自分(または家庭)から申請しないともらえません。

行政からは一切連絡はきません。

特別支援学校出身者は概ね、自分の所属する自治体の役所に連絡をすればよいと思います。(年金を担当する部署は福祉課ではありませんが、どこに連絡すればよいかは福祉課でも教えてくれるでしょう。)

20歳が近づいたら、所定の場所に連絡をして書類を提出する必要があります。

1級だと月約8万円

2級だと月約6万円

ただし年金の等級を決める基準はは身障手帳の等級や療育手帳の度数とは関係ありません。

先日、20歳をとっくに超えた卒業生と保護者に会う機会があり、この話をしたら、まだ手続きしてませんでした。

心当たりのある方はすぐ電話をいれませう!


2014年3月22日土曜日

スクールバス通学と自主通学

ここで言いたいのは当然、特別支援学校における通学に関してです。

特別支援学校では中学部まではスクールバスが使用できます。

知的の場合は高等部に上がると自主通学が難しい場合を除いて、スクールバスに乗らないことが基本だったと思います。

肢体不自由校では車椅子の子どもが多いので、高等部でも、希望すれば全員、スクールバスに乗れます。

しかし、これをキャリア的な視点で考えると、バス通学に頼ってしまうと、在学時は便利なのですが、卒業後の自立には大きな壁となります。

卒後は生活介護と重心施設しか基本、バスの送迎はありません。

自立支援法以前に作業所と言われた現在の就労継続支援B型は送迎は出ませんし、送迎車両を出せるほどの補助金は行政からは出ません。

知的の方は大方のひとが就労継続Bや企業を目指すので、そういうご家庭は早いうちからバス降りた方がよいです。

肢体に目を転じると、小さい頃から、周りに守られ過ぎて、一人で通う力があるのに中、高になってもスクールバスを使っていることが見られます。

肢体の場合、バスに乗るときは運転手にスロープを出してもらい、また車椅子用のスペースの席に座ってる方には立ってもらい、イスをしまってもらって、そのスペースに車椅子を固定してもらいます。その分、時間を他の人に待ってもらう必要があります。

また電者では都内ではほとんどの駅でエレベーターがつきましたが、電車に乗り込むときはやはり、駅員さんに来てもらってスロープを出してもらわねばなりません。

朝夕のラッシュ時には駅員さんも忙しく、来るのに何十分も待たされることもあります。

そう考えると、知的よりも肢体の子どもの方が自主通学までにかなりスキルが必要になります。

大変なことではありますが、これを毎日、在学時に経験しておけば、かなりの力が身に付きます。

就労支援施設や企業を目指すご家庭は、早い時期にこういったことも考えていく必要があると思います。

2014年3月20日木曜日

高等部卒業式

昨日、高等部卒業式があり、高3の生徒を送り出しました。

今年度の高3は二十名を超える肢体不自由としてはかなり多い学年でした。
進路先は重心施設、生活介護、継続B型、就労移行、一般就労、在宅就労のための訓練機関など多岐に渡りました。

感慨深い卒業式でした。

今年度は日中は学校にいないことが多く、実習の設定や行政や施設との折衝。また今までになく、企業と接する機会が多かったです。

在宅就労に関しての進路先開拓にもかなり展望が開けました。

法改正に伴う医療的ケアが、重心でない地域施設にどれだけ広がるかも今後重要になることを感じています。

卒後の進路や行政とのか関わりを知る特別支援教育の教員が広がれば学校の教育はかなり進展すると思います。



2014年3月7日金曜日

MOCA シンボル 「どうにょう」

保護者向けの進路説明会のスライドで医療的ケアの説明をするときにMOCA シンボルの 「どうにょう」を使用させてもらいました。 

導尿というのは尿道にカテーテルをさして排尿を促す行為です。

自己導尿ができる子どもはいいのですが、他人(学校では主に看護師が実施)でないとできない場合は医療的ケアになります。 

これをシンボル化する場合、リアルすぎるとちょっと痛々しいんですが、MOCAのシンボルの中に「どうにょう」がありました。 

とても分かりやすい、イラストではなく、まさにシンボルだと思います。 

特総研のiライブラリーでダウンロードすることができます。

2014年3月2日日曜日

全校保護者進路説明会PPT

全校の保護者向けに進路説明会を行いました。

重心施設でない生活介護施設で医療的ケアがどのように進んでいくかが、どの区でも焦点になってきています。

東京の重心施設は定員がどこもいっぱいになっていきていて、週5日利用できなくなってきているところもあります。

そのような現状でも、都は新たに重心施設を作るは作る予定はないといっています。

地域の生活介護で医ケアが進むのはいいことですが、生活介護では無理がある重度の医ケアの方がこれからも増える傾向があるので、重心施設を作らないわけにはいかないと思うのですが。

まあ重心施設を作るには莫大な予算がかかるので簡単にはいかないのはわかるのですが。


2014年2月26日水曜日

『成功する練習の法則』

進路の仕事が大詰めを迎え、かなりドツボってます。

ブログ更新がご無沙汰になってます。

『成功する練習の法則』

また今回も書籍ネタかよ。

この題名、もろキャリアポルノっぽいですが、内容はとても具体的で、よいと思います。

翻訳本なので、若干読みにくいですが。

成功といっても金持ちになるとか出世するというんでなく、あくまで自分の目標を達成するにはどいいった練習をするのかというような内容です。

書いた人は全米で話題のカリスマ教師らしいです。

実戦練習ばっかりするんでなく、細分化し、ひとつずつつぶしたていったり、身についた細分化したスキルを統合させていったり、またスピードを落としてゆっくりやったり、どういう方法がいいか考えてから練習するより、まずやってみてから修正、フィードバックはこまめにすぐやるとか・・

自分のドラム練習にもあてはまるなあと思います。

下手なまま、実戦ライブやっても、技術は向上しません。

最近はiPhoneアプリで音楽を半分のスピードで再生しながら、音階が下がらず、同じままというものがあって、とても重宝してます。

難しいフレーズも細分化して統合させるなんていうのも、もろあてはまります。

授業なんかも経験年数経てばある程度できいるようにはなりますが、本当に質をあげようと思ったら、やっぱり効果のある質の高い練習をやらなあかんなあと思わされました。

2014年2月1日土曜日

上岡一世著 「キャリア教育を取り入れた特別支援教育の授業づくり」

この書名だとキャリア教育と聞いただけで拒否反応を示す先生方にとっては絶対手に取らんだろうなと思うぐらい、ベタな感じです。

私も読むまではそうでしたが、読んでみると、最初から最後まで上岡節の直球ど真ん中でズバズバ論じられてます。

ここまで言い切られると逆にスカッとします。

キャリア教育本ってゴチャゴチャ小難しい感じですが、とても分かりやすい言葉ではっきり書かれているので、好感が持てます。

キャリア教育を日々の授業や生活指導に落とし込むにはどういう視点が必要かというのもよく分かります。

キャリア教育は子どもに対する教育というよりは教師自身の考え方や見方、また教師自身が日々、成長させているのか?自分のためのスキルアップキャリアアップ(出世とかでなく)を考えているのか?

「子どもを変えたきゃ教師自身を変えろ」
「量できるより、時間がかっかっても質の高い仕事をする」
「作業学習はその子がいないと困る役割をさせる」
「個別の支援計画を生かせなければキャリア教育は成立しない」
「作業能力よりも大事なのは働く意欲である」

肢体不自由教育には合わない箇所もありますが、その精神には納得させられる部分がありました。

2014年1月28日火曜日

書籍「知的障害特別支援学校のキャリア教育の手引き」の中の肢体不自由重度重複児の実践

書籍の名前の通り、ほとんどの実践事例が知的特別支援学校のものですが、中に一つだけ島根県立石見養護学校の渡部先生の実践事例”重度・重複児の『願い』を大切にした「選択する力」の獲得を目指した取組み”というのが載っています。
これは重度重複障害のある肢体不自由の生徒のキャリア教育についての実践事例です。

ここで登場する生徒さんは自分で選択するということが難しく、表出言語での意思表出も難しい実態があったそうです。

そこで、本人の好きなもの(ここでは甘いスイーツ)を買いに行くことを通して選択する機会を持つこと。買いに行く曜日、時間を決め、スケジュール化する。
6か月間の活動を通し、最初は2つの商品と比べてもなかなか目がいかなかったようですが、続けていくうちに2つのスイーツを見比べるようになり、表情で選択できるようになってきたそうです。

好きなスイーツが選択でるようになると、少しずつ、他の場面でも選択する場面が見られてきたとのこと(外出を表すスイッチ押しと足湯を選択させると悩みながらも、足でスイッチに触れた。待つこと10分)。

選択することで自分の意思が相手に伝わるのが分かり、それが自信になったのか、他の場面でも選択することが徐々に増えっていたとのこと。

選択することが主体的に生きることの第一歩ということ。キャリア形成の原点ということを教えていただいた実践だと読んで思いました。

石見養護学校の渡部先生は知的障害の職業教育等の実践が多いキャリア教育の中でも、重度重複の肢体不自由の実践を重ねておられ、全国のキャリア教育研究で中心的に頑張っておられます。

先日の魔法プロジェクト実践報告の重度重複障害肢体不自由児のOAKの実践報告の後、中邑先生がiPadやOAK等の支援機器でその子のコミュニケーション能力が分かったとして、大事なのはその次にどうなのか?だとおっしゃっていましたが、その子がその力を他の場面に応用したり、広げていき、主体的に生きる力を身に着けていくよう促していいくのが大事だと思いますし、それがキャリア教育なのではないかな。

2014年1月26日日曜日

魔法のランプ報告会 OAKのモーションヒストリーに関する報告

今年も東大先端研で行われた魔法のランプ報告会に参加させていただきました。

今回、一番感銘を受けたのが高松養護、谷口先生が発表したOAKのモーションヒストリーに関する報告でした。

OAKは人の動きをとらえて、それをスイッチとしてパソコン等を操作することができるというのは、かなり知られています。

かなり微細な動きをスイッチ化するために人の動きを記録化するのが、モーションヒストリーの機能だそうですが、それを利用して重度重複障害のある肢体不自由の子どもの微細な動きを記録化するという発表でした。

自立活動を主とする教育課程での肢体不自由教育は特別支援教育の中でも特に専門性を要するものだと思います。

その中でも特に障害が重いといわれる肢体不自由児が何を感じ、どのような表出をしているのかを捉えるのはとても難しく、経験の浅い教員は捉えることが至難の技です。

経験が豊富で、職人技を持っている先生はとても細かくそういったお子さんの表出を捉えることができます。

「この生徒はJAMES BROWNのMANS MANS WORLDが一番のお気に入りなんです。」と経験豊富な先生に言われたときには度胆を抜かれました。

しかし、経験豊富な先生はそれがわかるんだとしても、経験豊富でない外野の教員から見れば、それを証明するものは?・・・となる。

一つの解決となるのが、インリアルアプローチに使われるビデオ記録法ですが、ビデオでとっても、わからないぐらいぼ微細な動きをこのモーションヒストリーは捉えて、画像に残すことができます。

モーションヒストリーは動いてる部分だけを色で残すことができるそうです。

谷口先生の発表では対象のお子さんが教員がいるときと、いなくなったときのわずかな動きの違いを画像で見せてくださいました。

そういった成果だけでなく、まだまだ、課題はたくさんあるとおっしゃっていましたが、そういったところもてても好感が持てました。

OAKってこんな使い方もできるんだと感心した次第です。

発表の内容はすでにUPされています。